名古屋を中心とする東海三県は住宅ローンの競争が激しく、「名古屋金利」という言葉があるくらい低金利なうえ、金利以外のサービス合戦も過熱しています。その一つが団体信用生命保険(団信)で、通常の死亡・高度障害だけでなく、金利上乗せ無しでガンに罹っても保険金が下りるガン団信が付加されることが当たり前になっています。ただ、ある地方銀行の住宅ローンの担当者から、このガン団信の無料サービスを取り止めることになったとの連絡がはいりました。まだ正式発表前なので詳しくはご紹介できませんが、ガン団信を無くす代わりに、保障対象を死亡・高度障害やガンだけでなくもっと幅広くし、金利上昇は従来よりも抑えるカタチになる模様。すでに同様の商品を扱っている銀行はありますが、話を聞く限り、保障対象は広がるものの保険金が下りる条件は厳しくなりそうです。
なぜこのような変更が検討されているのでしょうか。独断と偏見で想像するに、サービス合戦の流れで無料で付けたガン団信の負担が、思った以上に大きくなってきたのかもしれません。ガン団信が無料で付くサービスが始まって結構経ちますが、最近の医療の進歩もあり、想定以上にガンが早期発見されているのかもしれません。そもそも不景気・低金利競争で銀行の経営も悪化しており、なかには住宅ローン業務から縮小・撤退する銀行も見られ、合理化も求めらています。そのうえ、昨今の円安・金利上昇も逆風となっています。
「住宅ローンの借り時」について話題になる時は「金利」がクローズアップされますが、金利を上げるのはかなりのインパクトなので、まずは団信など周辺サービスの見直しからということかもしれません。不動産屋さんからもこの団信の変更の話は聞いていますので、いまの経済状況が続くようなら、このサービス合戦縮小の動きが広がる可能性も十分にあります。来春にはいまの低金利政策を推進している日銀・黒田総裁も退任する予定なので、後から振り返れば、今が住宅ローンの借り時だったということになるのかもしれません。
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名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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