税金・制度 「106万円の壁」撤廃 社会保険と働き方はどう変わる?

「ニュースで『106万円の壁』がなくなるとは聞いたけれど、これからはいくらまで働けばいいの?」「130万円の壁もなくなるの?」。そんな疑問をお持ちの方も多いでしょう。

2026年10月1日から、パート・アルバイトなど短時間労働者の社会保険(健康保険・厚生年金)の加入要件が変わります。ただし、なくなるのは「所定内賃金が月額8.8万円以上」という賃金要件で、「年収の壁」がすべて消えるわけではありません。

今回は、103万円・106万円・130万円というややこしい「壁」を、税金と社会保険に分けて整理しながら、これからの働き方と家計の考え方、そして家づくり・住宅ローンとの関わりまでまとめてみます。

※本記事は2026年9月29日時点の公表資料(厚生労働省・日本年金機構・国税庁など)に基づいています。

 

 


1. この記事のポイント


  • 2026年10月1日から、短時間労働者の社会保険加入要件のうち「所定内賃金が月額8.8万円以上」という賃金要件が撤廃され、いわゆる「106万円の壁」がなくなります。
  • ただし「週の所定労働時間が20時間以上」「2カ月を超えて雇用される見込み」「学生ではない」「勤務先の規模」といった要件は残ります。
  • 「130万円の壁」は106万円の壁とは別の制度で、健康保険の被扶養者や国民年金の第3号被保険者に関わる基準として、2026年10月以降も原則として残ります。
  • 「103万円の壁」は税金(所得税)の話で、2026年分は、給与収入だけでほかに所得がない場合、原則として178万円以下なら所得税がかからない仕組みになりました。
  • これからは「年収○万円」だけでなく、「週20時間以上か」「勤務先は適用拡大の対象か」「扶養の130万円基準とどう関係するか」の組み合わせで考える必要があります。

 

 


2. まず整理したい 「年収の壁」は税金と社会保険で別の制度


「年収の壁」という言葉がわかりにくい最大の理由は、税金と社会保険というまったく別の制度の数字が、同じように「壁」と呼ばれてきたことです。まずはここを切り分けましょう。

 

いわゆる「壁」 関係する制度 何の分かれ目か 2026年の状況
103万円の壁 所得税 本人に所得税がかかり始める目安 2026年分は原則178万円へ
106万円の壁 健康保険・
厚生年金
短時間労働者が勤務先の社会保険へ加入する賃金要件 2026年10月1日に撤廃
130万円の壁 社会保険の
扶養
健康保険の被扶養者、配偶者なら国民年金第3号被保険者でいられるか 原則として残る

 

同じ「年収」を見ているようで、関係する制度がまったく違う。これが「壁」がややこしい理由です。今回のテーマである106万円と130万円は、いずれも税金ではなく社会保険の話です。

 

 


3. 「103万円の壁」は税金の話 2026年分は178万円に


以前よく聞いた「103万円の壁」は、給与収入だけの人が所得税を負担し始める目安でした。2024年分までは、給与所得控除の最低額55万円と基礎控除48万円を合わせた103万円までなら、給与収入だけの場合は原則として所得税がかかりませんでした。

その後、税制改正でこのラインは下記のように大きく引き上げられています。

  • 2025年分(令和7年分):所得税の課税最低限は160万円へ
  • 2026年分(令和8年分):給与収入だけでほかに所得がない場合、原則178万円以下なら所得税はかからない

2026年分の178万円への引上げは2026年12月1日に施行され、11月までの給与の源泉徴収事務は従来どおり行い、12月の年末調整などで精算されます。国税庁によると、178万円は給与所得控除の最低額74万円と基礎控除104万円を合わせた金額です。

つまり、「103万円の壁」は少なくとも「本人に所得税がかかり始める基準」という意味では、すでにそのままの形では残っていません。ただし、次の点には注意してください。

  • 住民税は所得税とは別の制度です。2026年分の所得に対して課税される住民税(2027年度・令和9年度分)では、給与収入だけでほかに所得がない場合、給与収入119万円以下なら住民税の所得割はかかりません。ただし、住民税の均等割については、市区町村によっては119万円以下でもかかる場合があります。
  • 配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除にも、それぞれ別の所得要件があります。

「103万円が178万円にそのまま置き換わった」と覚えるのではなく、これはあくまで税金の世界の話として、社会保険の106万円・130万円とは切り離して考えるのが安全です。

 

 


4. 2026年10月1日、「106万円の壁」はどう変わる?


2026年10月1日から、パート・アルバイトなど短時間労働者が勤務先の健康保険・厚生年金に加入するための要件のうち、「所定内賃金が月額8.8万円以上」という賃金要件が撤廃されます。

月額8.8万円を単純に年収換算すると105万6,000円になるため、これが「106万円の壁」と呼ばれてきました。なお、この賃金には通勤手当・家族手当・賞与・割増賃金などは原則として含まれないため、「年収106万円」と完全に同じ意味ではありません。

撤廃の背景には、最低賃金の上昇があります。2025年度の地域別最低賃金は全国加重平均で1,121円(前年度比+66円)となり、最も低い地域でも1,023円となりました。すべての都道府県で時給1,016円を上回ったため、最低賃金以上で週20時間働けば、自動的に月額8.8万円以上となる状況になっています。つまり、賃金要件は実質的にはすでに意味が薄くなっていたわけです。

なお、ここで一つ補足しておきます。パート・アルバイトでも、1週間の所定労働時間と1カ月の所定労働日数が、同じ職場の通常の労働者の4分の3以上であれば、従来から企業規模などにかかわらず社会保険の加入対象です。これを「4分の3基準」といいます。今回の記事では、この4分の3基準に満たない短時間労働者について説明します。

2026年10月以降、こうした短時間労働者が社会保険に加入するかどうかは、主に次の条件で判断されます。

・週の所定労働時間が20時間以上
・2カ月を超えて雇用される見込みがある
・原則として学生ではない
・勤務先が社会保険の適用拡大の対象となる事業所である

したがって今後は、「年収を106万円以内に抑える」という金額よりも、どのくらいの時間、どのような会社で働くのかが重要になります。

 

 


5. これから重要になる「週20時間」と「勤務先の規模」


■ 「週20時間」は原則として契約上の労働時間
ここでいう週20時間は、雇用契約書や就業規則などで決められている所定労働時間です。原則として、その月にたまたま多かった残業時間だけで判断するものではありません。

ただし、契約上は週20時間未満でも、実際の労働時間が連続する2カ月間で週20時間以上となり、その状態が今後も続くと見込まれる場合には、3カ月目の初日から加入対象となります。

したがって、「契約を19時間にしておけば、実際にどれだけ働いても社会保険には入らない」とは限りません。また、「週20時間=新しい年収の壁」と単純に置き換えるのも適切ではありません。時給が違えば、同じ週20時間でも年収は変わります。

■ 勤務先の規模の要件は2035年10月に撤廃予定
もう一つのポイントが勤務先の規模です。2026年10月に賃金要件がなくなっても、短時間労働者が加入対象となるのは、当面は厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業などです。この企業規模要件は、今後段階的に縮小されます。

 

時期 対象となる企業規模
~2027年9月 51人以上
2027年10月~ 36人以上
2029年10月~ 21人以上
2032年10月~ 11人以上
2035年10月~ 企業規模要件を撤廃

 

ここでいう人数は、単純な会社の在籍人数ではありません。原則として、厚生年金保険の加入対象者の人数をもとに判定します。法人の場合は同一法人格の事業所を合算します。つまり、2026年10月の改正は完成形ではなく、2035年に向けた社会保険の適用拡大の途中と考えるとわかりやすいでしょう。

 


6. 「130万円の壁」は残ります


ここは特に誤解されやすいところです。106万円の壁がなくなっても、130万円の壁は原則として残ります。両者は数字が似ていますが、役割が違います。

  • 106万円の壁:自分が勤務先の健康保険・厚生年金に加入するかどうかに関わる賃金要件。2026年10月に撤廃
  • 130万円の壁:健康保険の被扶養者や、配偶者の場合は国民年金の第3号被保険者でいられるかどうかの収入基準。原則として残る

したがって、「106万円の壁がなくなったから、130万円までは何も気にせず働ける」とは限りません。たとえば週20時間未満などで勤務先の社会保険には加入しない場合でも、扶養に入っている人の収入が原則130万円以上になれば扶養から外れ、国民健康保険・国民年金に加入するケースがあります。

■ 2026年4月からは、扶養の判定方法も変わっています
2026年4月1日以降、健康保険の被扶養者認定では、労働条件通知書や雇用契約書などから見込まれる年間収入が130万円未満で、ほかの収入が見込まれず、生計維持関係などの要件も満たす場合には、原則として被扶養者として認定される取り扱いになりました。

同居の場合は原則として被扶養者となる人の年間収入が被保険者の年間収入の2分の1未満、別居の場合は被保険者からの援助額より少ないことなども条件になります。このため、契約時には想定していなかった残業などで一時的に収入が増えても、それだけで直ちに扶養から外れるとは限りません。

なお、扶養の収入基準は人によって異なり、60歳以上の方や一定の障害者は180万円未満、19歳以上23歳未満の方(配偶者を除く)は150万円未満とされています。

 


7. 「いくらまで働くのがおトク?」は3つの働き方で考える


ここまで読むと、「結局、いくらまで働くのが一番得なの?」と思いますよね。ただ、2026年10月以降は「年収○万円までなら得」という一律の答えは、ますます出しにくくなります。そこで私は、次の3つの働き方に分けて考えるのがわかりやすいと思っています。

 

働き方 社会保険 家計から見た特徴
① 扶養の範囲内で働く 自分の社会保険料負担は原則なし 目先の手取り率は高いが、働く量を抑えることになる
② 勤務先の社会保険に加入して働く 健康保険+厚生年金 保険料負担は生じるが、会社も負担。保障・年金が充実
③ 扶養を外れるが、勤務先の社会保険には入らない 国民健康保険+国民年金 会社負担がないため、手取りへの影響が大きくなりやすい

 

特に注意したいのが③です。勤務先の社会保険なら、健康保険料と厚生年金保険料は原則として会社と本人で負担し、厚生年金に加入することで将来の年金も上乗せされます。

一方、扶養を外れたものの勤務先の社会保険には加入できない場合、原則として国民健康保険料と国民年金保険料を自分で負担することになります。そのため、「壁をほんの少しだけ超える」働き方では、社会保険料の負担が発生する一方で収入の増加が小さく、手取りがあまり増えない場合があります。この点は、次の章で詳しく見ていきます。

 


8. 「壁を少し超えると損」は本当か


これまで「106万円の壁」を説明するときには、「壁を超えるなら、ある程度しっかり働いたほうがよい」と言われることがありました。年収106万円付近で社会保険料の負担が発生して一時的に手取りが減ったあと、一定の条件を置いた厚生労働省の試算では、年収125万円程度まで収入を増やすと加入前と同程度の手取りに戻る例が示されていたためです。

ただし、この「125万円」はあくまで一つのモデルです。試算では給与から社会保険料だけを差し引き、所得税・住民税などは考慮していません。また、当時の健康保険料率などを使って計算されています。

2026年10月以降は106万円という賃金要件そのものがなくなりますし、実際の手取りは、時給や労働時間、加入する健康保険の保険料率、年齢、所得税・住民税、配偶者控除・配偶者特別控除、家族手当・配偶者手当などによって変わります。そのため、「125万円以上なら得」「130万円までは働いたほうが得」といった数字だけで働き方を決めるのはおすすめできません。

特に確認したいのが、本人や配偶者の勤務先にある家族手当・配偶者手当です。こうした手当は社会保険とは別に、会社が独自の収入基準を設けている場合があります。社会保険の加入を考えるときは、あわせて勤務先の手当の支給基準も確認しておきましょう。

 


9. 加入後の負担をやわらげる「保険料調整制度」


社会保険に加入すると保険料負担が生じるため、「働く時間を増やしたのに手取りがあまり増えない」ということがあります。この負担をやわらげるため、2026年10月1日から「保険料調整制度」が始まります。

対象となるのは、企業規模要件の縮小などによって新たに社会保険の対象となる事業所などで働く短時間労働者のうち、標準報酬月額が12万6,000円以下の方です。事業主が健康保険料・厚生年金保険料を一時的に多く負担することで、本人負担を通算3年間軽減できる制度です。

例えば標準報酬月額8万8,000円以下の場合、制度利用から1~2年目は保険料を本人25%・事業主75%、3年目は本人37.5%・事業主62.5%の割合で負担します。事業主が通常より多く負担した部分は、いったん納付した後に還付される仕組みになっており、本人の保険料が軽減されても将来の厚生年金額がその分減るわけではありません。

ただし、2026年10月から51人以上の企業で社会保険に加入する人全員が利用できる制度ではありません。2026年10月以降に労使合意によって短時間労働者を社会保険に加入させる任意特定適用事業所や、2027年10月以降の企業規模要件の縮小によって新たに対象となる事業所などが対象となります。

 


10. 社会保険は「今の手取り」だけで損得を考えない


社会保険に加入すると、給与から健康保険料や厚生年金保険料が引かれます。そのため給与明細だけを見ると、「扶養のままのほうが得だった」と感じることもあるでしょう。

ただし、社会保険料は単なる支出ではありません。

  • 厚生年金に加入すると、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金が上乗せされる
  • 障害や死亡の際にも、障害厚生年金や遺族厚生年金など厚生年金からの保障が加わる
  • 勤務先の健康保険に加入すると、病気やけがで働けなくなったときの傷病手当金や、出産で仕事を休んだときの出産手当金など、本人向けの所得保障が得られる

ですから、社会保険に入るかどうかを「今年の手取りがいくらになるか」だけで判断するのは、少しもったいないと思います。

目先の手取り、これからどのくらい働きたいのか、将来受け取る年金、病気や出産時の保障まで含めて考えることをおすすめします。

 


11. 家づくり・住宅ローンへの影響 FPの視点から


ここからは、私が普段、家づくりの資金計画を相談される立場から、今回の改正が住宅購入にどう関わるかを整理します。

■ 住宅ローン審査では「額面の収入」も重要
住宅ローン審査では、年収や、年収に対する年間返済額の割合である「返済負担率」が重要な審査項目の一つになります。

例えば【フラット35】など住宅金融支援機構の融資では、年収に占める住宅ローンや自動車ローンなどすべての借入れの年間返済額の割合(総返済負担率)について、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下という基準が設けられています。また、給与収入だけの方は、原則として借入申込年の前年の給与収入金額を年収として用います。

そのため、扶養から外れて勤務時間を増やし、額面年収が上がれば、住宅ローンの審査上はプラスに働く場合があります。一方、社会保険料の負担が生じれば、額面年収が増えたほどには手取りが増えないケースもあります。

ここで大切なのは、「審査で借りられる額」と「家計として無理なく返し続けられる額」は別物ということです。

■ 世帯全体の「増える収入」と「増える負担」を並べて考える
共働きで住宅ローンを組む場合、収入合算やペアローンでは配偶者の収入も審査に使われることがあります。配偶者が勤務時間を増やせば額面年収は増えますが、その一方で家計には次のような変化も起こり得ます。

  • 健康保険料・厚生年金保険料の本人負担が生じる
  • 扶養を外れて国民健康保険・国民年金に加入する場合は、負担が大きくなりやすい
  • 配偶者控除・配偶者特別控除の適用額が変わり、世帯の税負担に影響する場合がある
  • 国民健康保険に加入する場合は、前年所得などによって翌年度の保険料が変わる
  • 家族手当・配偶者手当が減額・支給停止となる場合がある

家づくりの資金計画では、「世帯の額面年収」で借入可能額を見る一方、「世帯の手取り」で実際の返済余力を見る。この2つを分けて考えることが重要です。

■ 「103万円・106万円以内で働く」前提の資金計画は見直しを
これまでは、税金や社会保険の「年収の壁」を意識して、「配偶者は年収103万円や106万円程度に抑える」という前提で資金計画を立てるケースもありました。

しかし、税制上の103万円という基準は変わり、社会保険の106万円という賃金要件も2026年10月に撤廃されます。さらに最低賃金の上昇が続けば、同じ勤務時間でも額面収入は増えていきます。

住宅ローンは数十年にわたって返済します。資金計画を立てる際には、現在の「壁」に合わせて働き方を固定するのではなく、育児や教育、仕事の状況などによって働き方が変わることも織り込んだライフプラン(キャッシュフロー表)で確認しておくと安心です。

 


12. まとめ 「年収の壁」から「働き方」で考える時代へ


2026年10月1日、「106万円」という分かりやすい社会保険の賃金基準がなくなります。しかし、「年収の壁がなくなり、いくらでも自由に働けるようになる」というほど単純な話ではありません。130万円の扶養基準は残りますし、勤務先の企業規模によって社会保険の適用時期も違います。

これからは、「いくらまでなら得なのか?」と年収から考えるのではなく、まず「自分はどのように、どのくらい働きたいのか」「家計としてどの程度の収入を目指すのか」を考え、その働き方では社会保険がどうなるのかを確認する。この順番が大切だと思います。

特に確認したいのは、次の3点です。

1.週の所定労働時間が20時間以上か
2.勤務先は社会保険の適用拡大の対象か、いつから対象になるか
3.配偶者などの扶養に入っている場合、130万円の基準とどう関係するか

そのうえで、目先の手取りだけでなく、将来の年金や病気・出産時の保障、家族全体の収入、そして住宅ローンのような大きな支出まで含めて考えてみてください。

「年収の壁」という言葉は分かりやすい反面、数字だけに目を奪われると、かえって自分に合った働き方を見失ってしまうことがあります。家計全体を見ながら、「壁を超えるか」ではなく、自分や家族にとって無理なく続けられる働き方は何かを考えることが、これからはより重要になるでしょう。

 


13. よくあるご質問


Q.2026年10月から、年収106万円以内なら社会保険に入らなくてもよい?
いいえ。2026年10月からは「所定内賃金が月額8.8万円以上」という賃金要件そのものがなくなります。当面、51人以上の企業などでは、週の所定労働時間が20時間以上で、学生ではなく、2カ月を超えて雇用される見込みがあるなどの条件を満たせば、年収106万円という金額にかかわらず加入対象となります。なお、通常の労働者の所定労働時間・所定労働日数の4分の3以上働く場合は、これらの短時間労働者の要件とは別に、従来から社会保険の加入対象です。

Q.130万円の壁も2026年10月になくなる?
なくなりません。130万円は、健康保険の被扶養者や、配偶者の場合は国民年金の第3号被保険者でいられるかどうかに関係する別の基準です。2026年4月から判定方法は見直されていますが、原則130万円という収入基準そのものがなくなったわけではありません。

Q.週20時間未満にすれば、必ず扶養に入れる?
そうとは限りません。勤務先の社会保険への加入要件とは別に、被扶養者として認められるための収入基準や生計維持関係などの条件を満たす必要があります。また、契約上は週20時間未満でも、実際の労働時間が連続する2カ月で週20時間以上となり、その状態が続くと見込まれる場合には、3カ月目の初日から社会保険の加入対象になることがあります。

Q.勤務先が50人以下の小さな会社です。何か変わりますか?
2026年10月時点では、短時間労働者の加入対象は原則として51人以上の企業などです。ただし、企業規模要件は段階的に引き下げられ、2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上、2035年10月には企業規模要件そのものが撤廃される予定です。勤務先がいつ対象になるのか、確認しておくとよいでしょう。

Q.社会保険に入ると損ですか?
加入直後は、保険料負担によって額面収入ほどには手取りが増えなかったり、一時的に手取りが減ったりするケースがあります。ただし、勤務先の社会保険では会社も保険料を負担し、厚生年金の上乗せや傷病手当金・出産手当金などの保障も得られます。また、条件を満たす方については、2026年10月から始まる保険料調整制度で負担が軽減される場合もあります。そのため、単純な「今月の手取り」だけで損得を判断するのではなく、働く期間や将来の年金、保障まで含めて考えることをおすすめします。

 

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