本日はハウジングセンターでの相談会で6組のご相談をお受けした後、名古屋駅前の事務所に戻って1組のご相談をお受けしました。1日で合計7組のご相談というのは、さすがに久々です。
ハウジングセンターでの相談会のメインテーマは、「あなたに合ったモデルハウスがどこかアドバイスします」なのですが、その流れでよく訊かれるのが、このご質問。
「どのハウスメーカーが安いですか?」
・・・このご質問、本日も何回か頂きましたが、とっても回答が難しいです。
たしかにメーカーによって坪単価や価格帯は違うので、ざっくりしたことを言えないこともありません。でも、下手に特定のメーカーを「安い」と言ったら他のメーカーからクレームが来るから。。。という大人の事情もゼロではないのですが、そんな話ではなく、ちゃんとした理由があります。
ハウジングセンターに出店しているハウスメーカーですから、その建物は注文住宅です。注文住宅というのは注文する内容によって価格も変わります。なので、「平均」とか「坪単価」といったものにはあまり意味はありません。同じメーカーでも、ご要望によって他社よりも安くも高くもなるからです。
同じ会社でもフルオーダーの商品ではなく、規格型のパッケージ商品を選べば、金額は大きく下がります。
また、同じ要望でも、住宅会社によって金額が変わります。例えばZEH(ゼロエネルギーハウス)にしたければ、太陽光発電や蓄電池、発電する給湯器などの設備が必要になりますが、これらは普通につけると数百万円します。ハウスメーカーによっては建物の金額は安くなくても、これらの設備がキャンペーンで割安に設置できたりします。
ローコストのビルダーは坪単価は安く見えますが、建物にこだわりがあり、オプションを追加変更していったら、坪単価が20万円上がったなんてことは決して珍しいことではありません。
単に標準的な坪単価が安い・高いではなく、家に対する要望や条件に対して金額がいくらになるかが重要なのです。
ほかにも、コストという点では建築費(イニシャルコスト)だけでなく、メンテンナンスや光熱費といったランニングコストも含めて計算するという考え方もあります。
ローコストの建物は、メンテナンスの頻度や価格が上がる可能性があります。例えば外壁材はローコストな材料だと15年に1回塗り替えが必要だったりします。その費用は150万円かかることもざらにありますので、45年で450万円かかります。でも、光触媒やタイルなどの高価な外壁材なら、50年間メンテナンスフリーだったりします。光熱費も同様で、コストをかけて高気密高断熱にすれば、入居後の光熱費で大きく差が出ます。こういったライフサイクルコストという点で見る必要もあります。
・・・等々の理由で、相談会で30~60分程度お話をしているだけでは、ズバリ「どのハウスメーカーが安い」とは言えないのです。なので、こういった相談会での模範解答はこうなります。
「ご要望によって金額は変わるので、気になるハウスメーカーに要望を伝えて、見積してもらって下さい」
この答えを肩透かしのように感じる方がいるかもしれませんが、ご容赦下さい。坪単価や値引きなど、見た目の安さに目を奪われて住宅会社を選ぶと、あとから手痛いしっぺ返しを食らうことさえありますよ。
それでもハウスメーカーのコストを聞きたいという方は、詳しくご要望や条件をお聞きした上で、可能な範囲でお答えしますので、家計とマイホーム相談室までお問い合わせ下さいませ。
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マイホーム購入前に、中立な第三者にご相談を!
名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
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