新年明けて12日と遅くなってしまいましたが、明けましておめでとうございます! 2020年もよろしくお願いしますm(_ _)m 2020年最初の当コラムは、年始らしく2020年の住宅・不動産を取り巻く動向を予想し、家の建て時かどうかを見てみたいと思います。
まず気になるのは、昨年10月1日の消費税増税が、着工棟数や建築費用にどのように影響するるかです。前回の消費税8%への増税後は、増税前の駆け込み需要の反動で着工棟数が減り、建築費も下がりました。が、今回の10%増税にあたっては増税前の駆け込み需要は思ったほどなく、逆に消費税増税後の負担軽減策の使える2021年中に家づくりをしようという人も一定数います。建築コストという点では、消費税増税分の上昇分以外にも、東京オリンピックの需要などもあり、建築費用は横ばいか、ものによってはまだ上がる可能性もあります。
費用でいうと、土地の値段(地価)も気になるところ。ここ数年、商業地を中心に地価も上がっています。昨年9月20日に各都道府県から発表された2019年7月時点の基準地価でも、名古屋を中心とする愛知県は、沖縄、東京、福岡に次ぐ全国4位の地価上昇率になっていて、名古屋市内の住宅地を見ると対前年比2.1%増で7年連続のプラスとなっています。といっても全国的には二極化になっており、少子高齢化の影響で地価が上がらない地域がある中、2027年のリニア中央新幹線開業を控えて開発の進む名古屋市は、対前年比7.5%増を記録している名駅や栄などの商業地を中心に、まだ地価は上昇しそうで、この傾向は今年も大きく変わることはないでしょう。
あと気になるのは、住宅ローンの金利。日銀の異次元金融緩和の影響。2016年2月に「マイナス金利政策」がスタートして以来、史上最低水準の低金利となりました。いったん低金利も落ち着きましたが、昨年夏頃には長期金利(日本の10年もの国債)がマイナス0.3%にもなり、長期固定金利タイプの住宅ローンの代表格・フラット35が9月に1.11%と史上最低(35年返済、融資比率90%以下、団体信用生命保険料込みの金利として)を記録しました。ただ、その後長期金利も戻ってきており、2020年1月時点のフラット35は1.27%にまで上昇。さらに、住宅ローンの低金利競争が過熱しており、金融機関の中には住宅ローン業務から撤退や縮小したり、経営環境の悪化から地方銀行・信用金庫が経営統合されるなど、住宅ローンを取り巻く環境には厳しさも増しています。今の水準よりも大幅に住宅ローンの金利が下がる余地は無いと言ってよく、いつ金利が上昇に転じるかですが、消費税増税による消費が落ち込んでいる現状にプラスして、東京オリンピック後には景気が落ちることが予想されるので、今のところは金利が大幅に上がる可能性も高くはありません。2020年は現在の水準から多少上下する程度と思われます。
・・・といったところです。総括としては、消費税増税後の負担軽減策と住宅ローンの低金利を活かせるという点で、2020年は家づくりにとって追い風と言えます。
ただ、こういった社会的・経済的背景も重要ですが、より重要なのは家族にとってのベストな建て時です。結婚、出産、入園、入学、転勤、退職等の家族のライフイベントやそこから生まれる家計の状況によって、家族に合った家の買い時は変わります。単にコストだけでなく、家族の状況など広い視野で家づくりを考えるようにして下さい。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
マイホーム購入前に、中立な第三者にご相談を!
名古屋駅前の住宅専門ファイナンシャルプランナー
家計とマイホーム相談室 草野芳史
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□