住宅ローン ミックス金利の繰上返済は“リスク”と“利息”をどう考えるか

いま住宅ローン選びを検討しているご相談者から、ミックス金利の繰上返済についてご質問がありました。ミックス金利は例えば「変動金利」と「固定金利」といった違う種類の金利タイプを組み合わせて住宅ローンを借りる方法で、金利などの条件が違うので繰上返済をする際は、どちらの金利タイプを優先的に繰上返済すればよいのか?とのご質問です。

 

そもそもミックス金利で借りる狙いは、変動金利タイプの“低金利”と、固定金利タイプの“低リスク”のいいとこどりをしようというもの。変動金利タイプだけを借りていると金利が上昇した時に返済額が挙がってしまいますし、固定金利タイプだけを借りているとリスクは無くても利息が高くなるので、異なる金利タイプを組み合わせることで、メリットを伸ばしデメリットをカバーしようということです。でも、逆に言うと、借り方や返し方を間違えると、それぞれのメリットを殺し、デメリットばかり目立つことになりかねません。

 

それでは、どのように繰上返済すればよいかというと、変動金利が上昇して固定金利よりも高くなれば、金利の高いうえにリスクの高い変動金利を繰上返済すればよいのですが、現在のように変動金利の方が固定金利よりも低い状況では、絶対の正解と言えるものはありません。それは金利などの情勢や借りている人の家計や考え方によって、適切な繰上返済の仕方が変わるからです。ただ、原則として言えるのは(変動金利の方が固定金利が低い場合)、

「金利上昇リスクを抑えたければ変動金利を繰り上げ返済する」

「利息を抑えたければ固定金利を繰上返済する」

ということです。多少利息は高くても良いからリスクを抑えたいというのに、固定金利をどんどん繰上返済していたら、リスクは上がりますから逆効果とさえ言えます。

 

ということで、ミックス金利の住宅ローンを繰上返済しようという時は、リスクと利息をどう考えるかで、繰上返済の仕方を決めて下さい。

 

 

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家計とマイホーム相談室 草野芳史

https://my-home-fp.com/

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