住宅・不動産業界 2022年の住宅・住宅業界を振り返って

2022年もあと数日。ということで、今年1年の住宅や住宅業界をとりまく状況を振り返ってみます。

 

年初の一番の動きは、住宅ローン減税の改正だったと言えます。消費税増税とその後のコロナ禍による景気対策として、控除期間13年・控除率1.0%に拡充され、数度延長されていた住宅ローン減税ですが、2021年末をもっていったん終了を迎え、年明けの通常国会で控除率0.7%などの縮小が正式に決まりました。改正案自体はすでに周知されており、控除期間は引き続き13年となったので大きな混乱はなかったと言えます。ちなみに住宅ローン減税は2025年末まで引き続き控除期間13年・控除率0.7%が継続し、限度額が2024年に段階的に縮小されることになっています。※住宅ローン減税改正の解説記事はコチラ

 

次いで春先には2つの大きな動きがありました。一つは欧米をはじめとする世界的な金融引締め=利上げの動きです。日本は黒田総裁率いる日銀が引き続き金融緩和=低金利政策を続けたたため諸外国に比べると比較的緩やかだったとはいえ、フラット35が1.28%から1.65%まで上がったほか、金融機関によっては長期固定金利が2021年の最低金利の倍近くまで上昇しました。※春先の金利上昇の解説記事はコチラ

 

そして2月24日に発生した世界的な大事件・ロシアのウクライナ侵攻で、ロシア産やウクライナ産の木材供給が滞り、それまで続いたコロナ禍による建材価格の上昇をさらに押し上げることになりました。さらに、前述の海外と日本の金融政策の違いによる円安で輸入価格の上昇も加わり、2022年も建材・住設機器価格は軒並み上昇しました。建材価格だけでなく土地の価格も上がっており、9月に発表された都道府県基準地価では住宅地の全国平均が31年ぶりに上昇しています。※都道府県基準地価の解説記事はコチラ

 

住宅ローン金利、建材価格、地価の上昇に対して、家づくりを考える人の支援策として導入された「こどもみらい住宅支援事業」が、申請期限を2023年3月まで延長したものの、想定以上の申し込みが殺到し予算を使い切ったため、11月末を持って申請が打ち切られました。これで補助金を受けられなくなる人が発生したことが問題視され、後継補助制度であるこどもエコ支援事業の要件を緩和する形でこどもみらい住宅支援事業の補助が受けられない人向けの受け皿となりました。※こどもエコ支援事業の要件緩和はコチラから

 

明るい話題の少ない2022年の最後に飛び込んできた大ニュースが、黒田総裁率いる日銀の金融緩和縮小です。日本の10年物国債の利回り(長期金利)の上限目標を0.25%としていたものの、突然0.5%まで引き上げるというもの。マーケットは敏感に反応し、発表当日にまさに上限とされる0.5%まで上昇。長期金利と連動する住宅ローンの長期固定金利も、各種報道では年明け1月にメガバンクなどで0.2%利上げされるとされています。過去の長期金利や重太宇ローン金利と比較すると、今後2.0%程度まで上がる可能性もあります。※日銀の金融緩和縮小の詳細はコチラ

 

ということで、2022年の住宅や住宅業界を振り返ると、住宅ローン金利、建材価格、地価の上昇に税制優遇の縮小と、家づくりを考える人にとっては明るい話題の少ない1年となりました。2023年はどうなるか? ウクライナ問題やコロナ禍が収束して、明るい話題が増えると嬉しいのですが。何はともあれ、2022年もお世話になりました。2023年もどうぞ、よろしくお願いいたしますm(_ _)m

 

 

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